悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「そう? それなら……よかった。なるべく、君の邪魔にはならないようにするよ」

 こちらを見るヴィルヘルムの表情は、今までレオンティーナが見たことなかったものだった。

(……この方、こんな表情もできたのね)

 ドキンとひとつ鼓動が跳ねて、けれどそれを無理やりに押さえつける。今は、そんなことを考えている余裕はないのだ。


 こうして、皇族を招いての日々が始まった。
 ヴィルヘルムとルイーザにとっては早めの夏休みだが、レオンティーナにとっては新たな仕事の追加である。
 この地に到着して三日目の朝、朝食の席でルイーザは膨れた顔だった。父はヴィルヘルムの厚意によって、朝は母と過ごしているため、朝食の席についているのは三人だけだった。

「――ここに来ても勉強をするとは思ってもいなかったわ」

 休みだから遊べると思っていたようで、ルイーザはむくれた表情だ。
レオンティーナの用意した部屋 を気に入ってくれたのはよかったが、皇宮を出発する時に決められた課題をこなさないのは困る。

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