悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
(ああ、そう。そういうわけだったの――それはそれで、いい兆候かもしれないわね)

 ティータイム用のベージュのドレスに着替えた母は、妙に幸せそうに見えた。それは、父も同様だ。
 今まで、レオンティーナがふたりの間に感じたことのない甘ったるい空気。いったいこれはどういうことだ。

(思っていた以上に、私のアドバイスが効いたということよね?)

 前世の記憶から得た知識を語っただけなのに、ここまで変化するとは。
 レオンティーナが、女帝として立った時、実家の勢力というのは馬鹿にはできないから、いい兆候だと思うことにしよう。

「お父様! お会いできて嬉しい!」

 レオンティーナは、あえて子供じみた表情を作ると、父に抱き着いた。
 半分演技ではあったけれど、半分は本心だ。こうして、父の体温を感じることでほっとする。

「ティーナ、顔を見せておくれ。ああ、ますます美しくなったね」

 父の甘い台詞は、娘にまで向けられるものらしい。

「そんなことより、お父様。家庭教師の先生は探してくれた?」
< 51 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop