悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 まるで赤ちゃんを高い高いするみたいに、両手で脇の下を支えられ、父の頭より高い位置まで持ち上げられる。

「お、お、お父様! 落ち着いてください! おろして! 私、高いところは苦手――!」

 悲鳴交じりに訴えるまで、何度もぐるぐると父は回る。
 ようやく床の上に下ろされて、レオンティーナはため息をついた。

(なんでこんなに、変わったのよ……!)

 前世の知識からしたら、父とこんな触れ合いをするなんて信じられなかった。けれど、これはこれでいいのかもしれない。
 ――自分が、両親との触れ合いをこんなにも強く望んでいたなんて。
 この時になるまで、レオンティーナは気づいていなかった。
 

 ◇ ◇ ◇

 

 ヴァスロア帝国には、養護施設や病院など、弱者を守るための制度もそれなりに整えられている。それは、レオンティーナが皇妃だった時代も変わらなかった。

(最後の方は、ほとんど名ばかりの施設になっていたとソニアが言っていたっけ)

 牢の中でソニアから聞いたことを思い出す。
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