悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「これはこれは。バルダート大公のお嬢様、レオンティーナ様でいらっしゃいましたわね? 恵まれない子供のために、寄付をしてくださるとか。お嬢様のお優しいお心に、私達感謝しておりますのよ」

 口早にそう言い、レオンティーナに向かって頭を下げたのは、この養護施設の施設長だ。黒いワンピースに白いエプロン。飾り気のない恰好をしている。

(自分は、いいもの着ているじゃないの。肌だってつやつやピカピカしているし)

 だが、レオンティーナは、彼女が身に着けているワンピースが、貴族が身に着けるほどではないにしても上質のものであることを鋭く見抜いていた。
 ちらりと側にいる少女に目をやる。レオンティーナと同じか、一歳か二歳年下というところだろうか。
 彼女が身に着けているワンピースは、あちこちあて布をされたぼろぼろのものだ。いくら子供は育つものだといっても限界がある。
 施設長の襟元を飾っているブローチも、カメオ細工の繊細な品である。あのカメオひとつで、子供達の服を何着新調できるのだろう。
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