悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
(貴族達の視察は実態なんか見抜けないものだったと、ソニアは言っていたけれど……行かないよりはまだましよね、きっと)

 レオンティーナがソニアから聞かされた話では、皇族や貴族による視察もたびたびおこなわれていた。
 だが、そういった高貴な身分の人間が訪れる時には、警備を万全にするために、事前に日時を調整する必要がある。
 というわけで、その時にはそこまで悲惨に見えないようにされているのだという話だった。
 たとえば、病気の子供は隠しておくとか。やせ衰えて見えない程度のぎりぎりの食事は与えておくとか。
 普段は腐る一歩手前の材料を使った食事が与えられているそうだけれど、視察の時だけはいくぶんましになったのだとか。
 動きやすい灰色のワンピースに身を包んだレオンティーナは、母の侍女を付き添いとして養護施設を訪れた。

(……ずいぶん、汚い建物ね)

 レオンティーナが訪問を許される程度だから、これでも、ましな方なのだろう。
 だが、今目の前にある養護施設は、レオンティーナの目には今にも倒れてしまいそうに見えた。

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