悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 だが、このふたりが素直になれないというのであれば、レオンティーナが気を配ってやるしかないではないか。
 お互い憎からず思っているのは明白なのに、手紙ではなく直接顔を合わせるとなるととたんにぎくしゃくしてしまうのだからどうしようもない。
 この屋敷に戻ってきた当日は、いたたまれないほどふたりの仲は改善したように見えていたのに、また逆戻りしてしまったようだ。

「お母様、一緒に行きましょう? お母様からも、お父様にお願いしてください」
「え? でも、私は……」

 母は、ためらった。父と顔を合わせるのは、まだ気が重いというのだろうか。

「一緒に来て、お母様」

 母の手を引っ張り、父の書斎へと向かう。
 そろそろ娘抜きでも会話を成立させられるようになってはもらえないだろうか。

「お父様、今、いい?」

 父の書斎には、たくさんの本があった。それから、父が大公としての務めを果たすうえで必要な資料も。
 それらはきちんと整理され、壁につくりつけられた本棚にずらりと並んでいる。最近数が増えたようで、おさまりきらない本が、壁際に置かれたテーブルの上に積み上げられていた。

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