僕の1番大切な人【リニューアル版】
小さな体で、いろいろなことを、どんどん吸収していくんだ。


すごいなと、いつも感心する。


姉さんも…


きっと、この幸せを感じたかったんだな…


そして、この春、とても寂しい出来事があったんだ。


父が…亡くなった。


お葬式には、たくさんの人が参列してくれた。


父の優しさが蘇って来て、泣けてくる。


これからは、僕が、母を守ってやらないとな。


しっかりしないといけない…と、改めて思った。


その時…


その姿に、僕は、なんとも言えない懐かしさを感じた。


『姉さん…?』


目の前で、姉さんが、僕に頭を下げた。


葬儀に、来てくれたんだ。


『この度はご愁傷さまです。お兄さんから連絡を頂いたの。お父さんには、本当にお世話になったから…最後にお礼を言いたくて』


『わざわざ来てくれて、ありがとう。父さん、喜んでるよ。また姉さんに会えて』


いや、嬉しいのは、僕だった。


久しぶりだ、本当に…
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