僕の1番大切な人【リニューアル版】
5年経っても、全然変わらない。


ううん、ますます綺麗になってる。


そっか…


姉さんは今、幸せなんだね。


『葬儀が終わったら、少し話せない?』


僕は、姉さんに声をかけた。


『…うん、でも、私はお焼香を済ませたら失礼するね。近くの喫茶店で待ってる』


兄さんと、新しい奥さんに気を使っているんだな。


『わかった、少し待たせるけど、必ず行くから待ってて』


僕は、葬儀を終え、走ってすぐ近くの喫茶店に向かった。


姉さんは、まだ、待っててくれた。


『待たせてごめん』


『ごめんね、いいの?抜けて来て』


申し訳なさそうに、姉さんが言ってくれた。


『兄さんがいるから、大丈夫だよ。ちゃんと、姉さんに会うって、兄さんには言って来たから』


『…そう。お父さんにお別れが言えて良かったわ。本当に』


『来てくれてありがとう。嬉しかったよ。姉さんは今、どうしてるの?』


僕は、それが、聞きたかった。
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