僕の1番大切な人【リニューアル版】
幸せなのはわかってるけど、それでも、聞いて安心したかったんだ。


『私は…』


しばらくの間が空いて、姉さんはゆっくり話し始めた。


『心配かけてしまってたから、凌馬君には話すわね。あれからね、2年くらいして、同窓会があったの。私を心配してくれてた友達が、熱心に誘ってくれて。本当は、気が進まなかったんだけど、せっかくだし、行ってみたの』


『うん…』


『その時に、声をかけてくれた人がいて…昔、私のことが好きだったって言ってくれてね。それから、その人と時々会うようになって。最初は、本当に友達だったんだけど、だんだんね…』


姉さん…とても嬉しそうだ。


『今は、その人と付き合ってるの?それとも、結婚した…とか』


聞いてて、ドキドキしてる。


『結婚は…もう、二度としないと思ってる。でも、その人ね、奥さんを亡くされて、小さな子どもさんを1人で育ててたの。仕事が忙しい人だから、だから、すごく大変そうで。それを見てたら…自然と私がその子の面倒を見るようになって。本当に可愛いの。もうすぐ小学生になるんだけど…男の子よ、やんちゃで大変』
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