さよならが言えなくなるその前に



どんな言葉で振られちゃうの!?



って、ビクついてるレミを




ジっと、見つめる那智。



「…いいよ。来な。」



那智がレミの肩に手をまわして



連れて行こうとする。





え?いいよ。って何?




どこ、行くの?




フロアの人混みをすり抜けるように



那智に促されて歩きながら




「どこ、行くの?」




レミが聞くと




「おれんち」



え?え?え?



「な、何で、でしょうか?」




戸惑うレミに




「身体の相性以外に



大事なことあるか?」



フツーに、




フツーにそう言う那智さん。



レミは、



レミは…よくわからない。



え?



え?




今から?那智さんち行って?




レミの足がとまる。




そんな、の。



急すぎるし…レミ…。




那智がレミの顔を覗き込む。




ご飯食べたくないの?



って聞くみたいに



「いやなの?」



って聞く那智さん。





…レミは




レミは…


…いや…。



「いや、じゃない」



そう答えてた。




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