となりの一条三兄弟!


たしかに顔はカッコいいけど、性格に難ありって感じだし、教室でも誰とも馴れ合わずにひとりでいる。

正直、私は苦手だ。

引っ越しの挨拶に来た時だって、自己紹介がてらに『これからよろしくお願いします』なんて昴さんと晶くんと話をしていたら……。

「お前の名前なんて覚える価値もない」と吐き捨てられたことを根にもっている。


初対面なのにお前って言われたことも気になったけど、その態度はないでしょと、かなりムカついた。

だから一条聖だけは生理的にムリというか、困ったことがあっても隣人として助けてあげない、なんて子どもみたいなことを思っていたりする。


「まりりーん!」

晶くんがまだ私の名前を連呼していた。おまけに、昴さんも私のことを見ている。

無視するのも悪いと思って小さく手を振ってみた。


「なんなの、あいつ。一年?」

周りの女子のたちが私のことを見上げて、睨んでいる。


平々凡々で、静かな学校生活を送ってきたのに……なんだか彼らのせいで私への風当たりも強い。

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