エリート御曹司が花嫁にご指名です
 白石さんは医者で、頭はいいかもしれない。でも優成さんも、優秀な頭脳なら負けないだろう。

 狭き門のイギリスの有名大学を卒業し、鋭い洞察力に、重役たちにも一目置かれるカリスマ性。美麗な顔立ちに、見事なスタイル。

 DNAレベルで、優成さんに並ぶ人はいない。

「後継ぎのためにも、俺も赤ん坊が欲しい」

 手っ取り早く、身近にいて、赤ちゃんを欲しがっている私で結婚を妥協しようとしている。

「汐里?」

 返事ができないでいる私を、優成さんは突として抱き寄せた。そして有無を言わさずに唇を重ねる。

 舌を絡ませ、濃密な口づけに、恋愛初心者の頭の中は優成さん一色になった。

 誰かに見られてしまうかもしれない。そんな考えは取っぱらわれて、優成さんのキスにひたすら応える。

「ここでやめないと、汐里を襲いそうだ」

 囁きに近い声が耳をくすぐる。

 優成さんは私を離すと、後部座席に手を伸ばし、ジャケットを掴んだ。

「こ、こんなところで、こんなキスしないでくださいっ」

 我に返った私は優成さんを睨みつける。

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