エリート御曹司が花嫁にご指名です
「ハワードは仕事だから、会うのは夕方になるわ。だからゆっくり話ができるわよ。どんな話でもいいわ。今回と関係ないことだってね」

 華さんはリサちゃんを抱っこしながらドアを開けた。ついていった先に、海が見渡せる広いリビングがあった。

 私はピカピカに磨かれた白い大理石の床を進み、窓辺に近づく。披露宴を行った広大な敷地や、紺碧の海が見渡せた。

 心が洗われるような美しい景色だった。

「結婚式のときはゆっくり見られなかったけれど、本当に素敵なところですね」

 こんなに広い邸宅だけど、住んでいるのは家族三人と使用人たちだけと聞いている。

「汐里、食事を用意してあるの。起きてからまだ食べていないでしょう?」
「そういえば……」

 フロントからの電話で起こされて今に至っているのだから、まだ水一滴すら口にしていないことに気づいた。時刻は十二時近い。

「こっちよ」

 華さんは私を隣のダイニングルームへ案内する。

 十人は座れるテーブルに、いろいろな料理が用意されていた。まるでレストランのブッフェのように種類がたくさんある。

「汐里、座って。リーも食べましょうね」

 華さんは私に腰を下ろすように促した。そして、私の対面にある子供用の椅子に愛娘を座らせ、自分も隣に腰かけた。

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