エリート御曹司が花嫁にご指名です
「……はい。幸せすぎて泣きそうです」

 優成さんは私を愛してくれていた……。

 実際には目じりを濡らしていた。そして言葉にしたとき、ツーッと涙があふれ出てきた。その涙を優成さんは唇で吸い取ってくれる。

「さてと、あそこでニヤニヤ笑っている夫婦の元へ行こうか」
「えっ?」

 私をお姫さま抱っこしている優成さんは、身体の向きを少し変えた。

 建物の傍らで立っている華さんとハワードさんがいた。もちろん、ハワードさんの腕は華さんの腰を抱いて。

「兄さんっ、久しぶり! 早く入って! 寒いでしょう」

 華さんが大きな声で叫び、手を振っている。絵になる夫婦は微笑んでいた。


 室内へ入った優成さんは、ハワードさんとハグをして再会を喜んでいる。

 華さんともハグをして、兄妹仲がいいところを妬くハワードさんが間に割り込んで、引き離そうとする。
 
 そんな光景を穏やかな気持ちで見られる今が、とても幸せだった。

「無事に丸く収まったのね」

 ラブラブの夫婦はダイニングルームへ私たちを案内する。優成さんも私と手をしっかりと繋いで、彼らの後をついていく。

「兄さん、朝食はまだでしょう? 汐里もまだなのよ。どうぞ座って」

 私たちは並んで席に着き、メイドがコーヒーを銀のポットでカップに注いでいった。

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