エリート御曹司が花嫁にご指名です
 冬の制服は、長袖のブラウスにスカートと、同じ生地のジャケットを身につける。
 
 遠目から見ても、砂羽さんは制服がよく似合っている。
 
 お客さまに笑顔を絶やさず、テキパキと仕事をしていた。頭を下げてお客さまが離れていく。
 
 砂羽さんは顔を上げたところで、社長と桜宮専務が立っていてびっくりしている。
 
 少し離れた場所から眺めていた私は、その様子に微笑む。

 そして、ふと視線をずらした私は、小さな子供がよちよち歩いている家族連れが目に入った。
母親は抱っこ紐で小さな赤ちゃんを抱いている。
 
 私は、父親に向かって手を出しながら歩く子供に釘づけになった。

 可愛い子供がふたりもいる彼らが羨ましい。私も早く赤ちゃんが欲しい。

「――里さん、汐里さん?」

 幸せそうな子供を目で追っていた私は、三和子さんの声にハッとする。

「あ、すみません……ぼうっとして……」
「いいのよ。砂羽さんって、素敵な女性ね。桜宮機長は小柄な女性がタイプだったのね」

 三和子さんの言葉に、私は小さく頭を左右に振った。

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