エリート御曹司が花嫁にご指名です
 前菜やサラダ、ラウンジ自慢のハンバーグが置かれていく運ばれてくる。

 ゆっくりとした時間は過ごせないので、料理は一度に用意されるのだ。

「優成。朝陽は砂羽さんと結婚して幸せそうだな。お前もそろそろどうだ? 浮いた話はひとつも耳に入ってこないが」

 社長に話を振られ、桜宮専務は口元をナプキンで軽く拭いて、肩をすくめてみせる。

 息子の態度に社長は溜息を漏らす。

「隣に素敵な女性がいるというのに」

 ひと口サイズに切ったハンバーグを口に入れようとしていた私は、ギョッとなって喉に詰まらせそうになった。

 隣って、私のことだわ……。

 横に座る桜宮専務へ、思わず視線を向ける。

「汐里さん、うちの優成はどうかね?」

 桜宮家の主治医である父が、社長と親交があるので、社長はいつも娘のように接してくれる。AANに入社するまでは『汐里ちゃん』呼びだった。

 いきなりそんなことを聞かれても答えに困る。私の本音をここでさらけ出すわけにはいかない。

 三和子さんに助け舟を出してもらいたくて、社長から三和子さんを見たとき、桜宮専務が口を開いた。

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