俺と、甘いキスを。
「あれ?峰岸さん、帰ったんですか?一緒に夕飯をどうかと思ったんですが……」
玄関先に立つ俺を見かけた花が声をかけてきた。
「今夜は鍋にしたんです。みんなで食べようと思って。もう少し早く声をかけるべきでした」
と、残念そうに眉を下げる。
ほらな。
俺の惚れた女は、こういう女なんだよ。
「峰岸さんから上から目線の伝言がある。「いつか気が向いたら社食でランチしてあげてもいい」って。鍋はたくさん作っても大丈夫。俺が食うから」
「峰岸さんがそんなことを……。って、鍋の食べ過ぎはダメですよ。また胃薬のお世話になりたいんですか」
「花に胃薬飲ませてもらうから大丈夫」
「もうっ」
少し頬をふくらませて大きな瞳で睨む花。そんな安心出来る顔を、ずっと傍で見ていたいと思った。