~fault~私だけが・・・
第2章

大学生の私たちのこと

年が明け毎年恒例の5家族での箱根旅行。
鬱陶しいとか面倒とか思っていた私が今年もこの場で笑顔で居られるのは優斗のおかげ。

ギクシャクしてた匠との関係も、ぎこちなさは少し残るものの特に気にもならなかったし
いつまでもなのは大人気ないから勤めて普通にしていた。
それはきっと匠も同じはず。
匠とは知られたくなかった過去を共有してしまってる分、新や樹や央とは少し距離が違う。
でもそれはどうにもできないからしょうがない。
だってきっと離れることは出来ないだろうから・・・・・

そんなことを思いながらテーブルを囲んで楽しそうにする家族の顔・4人の顔を見ていた。

明けましておめでとう!の乾杯をしてほろ酔い気分の父親たちに何か起きても対処できる様にってうしろを5人で歩くのも毎年の事。
初詣の神社は賑やかで5人そろって手を合わせる。
おみくじを引いて互いの今年を確認しながら慰めたり称えたりして枝に結び
お守りを購入して大人と子供それぞれに分かれて甘酒を飲む。

「俺たちに家族ができてもコレずっと続けたいよな」急に樹がポツンと声にした。
「当然じゃん?そんなのさ(笑)」新が賛同して
「相変わらず能天気」って言った央に樹と新が掴みかかって

何も言わなかった匠。

「え、私は結婚してあの家を出て行く身だからな~~ずっとはないね」って甘酒を飲みほした私に何も言わなかった4人。

私達が生まれた後、各家族にふたりずつ同い年の家族が増えて
私には妹と弟、新には妹がふたり、樹には弟がふたり、央には弟と妹、匠には妹ふたり
見事なまでの連係プレーかっていう産み分けで兄弟たちは幼馴染を楽しんでいた。

『兄弟たちはぁ??』って笑った優斗だけど、だって私はね。楽しくなかったもん。
女であることを恨めしく思ってたもん。

『オレに会うまでは!っでしょ?それにね渉を素敵な女性に育ててくれた4人に感謝してんだよオレ(笑)』ってからかう様に話題にしてくれる優斗。


「渉?」って声に我に返ると長身の央が窮屈そうに顔を覗き込んでいた。
先を見ると3人の背中が見えて央と歩き出す。
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