~fault~私だけが・・・
前々から気になっていた匠のバイト先のBARに連れて行ってもらった。
そこは今まで唯一私だけが来たことの無かった匠のテリトリー。
お店は洒落な感じでグローバルに色々な人種の人がそれぞれのスタイルでお酒を楽しんでいて
匠らしいなって思える場所だった。
なんか匠が働いているんだって思うと妙な親心みたいなものが芽生えて(笑)感慨深くもあって(笑)匠は、オマエに育てられた覚えはなんて言ってたけど、4人は私が育てた様なもんだもん!!
本当に楽しい時間でマスターは優しそうでダンディーな央のパパのあきちゃんに似ていた。
それも安心できる要素でお酒はどんどん進んで、いつの間にか周りのお客さんとも仲良くなって
『飲みすぎだろ』って言った匠と店を後にしたんだと、思う。

一緒に歩きながら泣いたり笑ったりした記憶はある。
匠もかなり酔ってたからお互いが支え合うように歩いたような気がしてる。
店を出た後からは薄っすらな記憶しかない。
でもどうして・・・
匠だよ?幼馴染だよ?もっと言えば家族も同然のヤツ、、
間違ってもあんな場所行くわけないし、しかも,、、ベッドの中で裸で目覚めるとか?
・・・・・・ないない!ありえない。

小さい頃はみんなでお風呂にも入ったし一緒にも寝た。
でもそんなの私に女って自覚がない時の話で男同士みたいな5人だもん。

だから目を覚まし、自分が置かれている状況を受け入れるまでに時間がかかった。
腕枕こそされてなかったけど、すぐそこに匠の顔に匠の身体があって息をひそめて離れた。
ガサって動いた匠に慌ててゆっくりベッドから抜け出すと周りに散らばった洋服をかき集めて
静かに急いでたつもりだけど『おはよ』とか声かけてくるから想像以上に跳ね上がったカラダ。

大きくひとつ深呼吸をして覚悟を決めて振り返った。




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