~fault~私だけが・・・
渉の部屋を眺めながら色々な事を考えた。
すると、渉の部屋に明かりが付いて

「匠どうしたの?」
窓を開け渉が不思議そうにオレを見ていた。

咄嗟にカーテンを閉めたオレにありえないって顔でこっちを見る渉が見えたけど・・・

それはオレのセリフだよ。
オマエこそなに考えてんだよ!



途端にスマホが鳴る


【なに今の!!】
【なにがだよ】
【それはこっちのセリフよ。なんなのよ!今の!】
【別に】
【そんな態度とって別にって事ないでしょ!!感じ悪よ匠】
【ぎゃーぎゃーウルセーよ】
オレは電話を切った。

渉の本音を聞きたくてわざと・・・
そしたら案の定

“ドンドン!”
今度は窓を叩く渉がいた。


カーテンを開け「ウ・ル・サ・イ」と、声を出さずに言う。
渉は大きく息を吸うと強烈な膨れっ面で怒ってる。
でもその顔が余りにもオカシクテ、笑ってしまった。

そんなオレを見て渉は余計に怒っていたのでカギを開けた途端に怒鳴り声。

「ちょっと!アンタ!なんなのよ。さっきっから!!」

怒る渉を抱きしめる。



「・・・・・・」
「・・・・・」

渉のコロンとは別の香りに一層強く抱きしめる。


「痛いよ。匠・・・」
「・・・・」
「どうしたの?」
「・・・」
「たくみ?」
「どうしたんだろうなぁオレ・・」
「ぇ?」

「夢だったのか?オレ、夢見てたのか?なぁ?
オレはこんなにも気持ちグチャグチャなのにオマエの事でいっぱいなのに、どーしてオマエはフツーなんだよ。フツーに、別の男の香り付けて帰ってくんだよ。
オマエにとっては、なんでもない事だったのか?どーでもイイ事なのか?
あの夜の事も、まがさしただけなのか?
オレ、渉がわかんねーよ。オマエが、なに考えてるか全然わかんねーよ」










< 87 / 93 >

この作品をシェア

pagetop