雪の訪問者
あるいは、多少好奇の目で見る

大通りの反対側に目を凝らす

…いた!彼女だ!

こっちに背を向けている

僕は思わず、彼女の名前を呼ぶ

いや、叫ぶ

彼女は…僕の声に気付いたのか、ビクッとして周りを見回す

もう一度叫ぶ、二度、三度

彼女はやっと僕の姿を認める

右手を上げて、僕に手をふる

弾けるような笑顔で

でも、やっぱり、なんとなく寂しそうな表情を浮かべて

「岩田くん…」

吹雪に阻まれ、途切れ途切れながら

彼女が、僕に話しかける

いや、叫んでいる

大通りは横断歩道がない

しかも、車が途切れること無く、奔流のように走っている
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