雪の訪問者
よく聞こえない、彼女の声が

彼女の元へ行きたい

せめて、普通の会話ができる距離へ

「私、ずっと…あなたを…見ていた…」

「ええっ?よ、よく、聞こえない!」

奔流の向こう側の彼女に、僕は叫ぶ

「静かに…を読んで…教室で…あなた…」

ちょっと、そこで待ってろ!

そっちに行くから!

「もっと…もっと…あなたと…お話が…
…かった」

奔流!途切れないっ!

大通りのフェンスを乗り越える

途端に、クラクションの洪水

ダメだ!迂回しよう

迂回して、彼女の元へ

話ができる距離へっ!

「いわた…くん…私…たし…

あなたの…あなたが…

…き、でした…」
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