雪の訪問者
彼女の電話の向こう側では、小さい子供が走り回る「ドスンバタン」「きゃあきゃあ」という賑やかな音が聞こえてくる

卒業後、いち早く結婚して、今では3人の小さい子供相手に奮闘しているらしい

「ああ、久しぶり!」とか

「今何してんの?」とか

お互いに、通り一遍の同窓生同士の近況報告の後、

僕はさりげなく「ところでさ、」と切り出した

元・学年一のアイドルの消息を…

あわよくば、連絡先も聞いておきたいという、下心をそっと隠して

それまで、楽しげに「あの子は結婚した」とか「あの先生は校長先生になった」とか

昔を思い出しながら、懐かしながら話していた彼女のトーンが、急降下

電話の向こうの、子供の走り回る声が、一段と大きく響き渡り

空気が、すうっと冷えていくような気がして
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