雪の訪問者
誰かが叫んでいる、電話の向こうで

情報通の彼女だ

「あ、ああ、ごめん

それでさ…」

僕はまだ、怒りに身を震わせたままの状態で、尋ねた

彼女が…旅立った日は…

「それがな、ごっつい寒い日があったやろ?季節外れの吹雪やった日…」

あの時だ

彼女が、「最後だ」と言って、僕に会いに来て

泣き笑いの表情を浮かべて

大通りの、車の奔流の向こうから

僕に、思いの丈を叫んで、そして…

僕が回り道をして、彼女の元にたどり着いたとき、すでにその姿はなく

吹雪だけが、街を覆っていた、あの夜

…あの時、彼女は、旅立ったのか

ということは…

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