雪の訪問者
「…岩田くん、いつも本読んでたよね。

文学少年だったなあ」

彼女が、遠くをみるような目で、僕に話しかける

そう…思い出した

あの頃、僕は休憩時間、現実逃避するかのごとく、小説を読んでいた

クラスの他の連中が、グラウンドで野球やサッカーに汗を流しているのを横目で見ながら

架空の世界に、没頭していた

「ねえ、文学少年くん?」

彼女に話しかけられたのは、いつもの休憩時間中、ではなく

放課後の、誰もいない教室

話しかけられ、現実の世界に引き戻された僕は、ポカンとした顔で、目の前の女子高生を凝視した

しかも、目の前にいるのは

学年1の美貌の持ち主

いわゆる、学園のアイドル

「何、読んでるの?」

ニコニコと、僕に話しかける
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