如月くんは私をひとりじめしたい

「小春ちゃんはいてくれるよね?僕とずっと一緒にいてくれるんだよね?」


私は如月くんの手をぎゅっと握った。


「私はずっと一緒にいるからね」

「…ありがとう」


如月くんはふにゃっと笑った。

今の私にはこんなことしか言えないけど、いいのかな。

何を言ったら正解だったんだろう。


「ごめんね。こんな暗い話しちゃって。ほら、パーティー再開しよ!」

「うん!」


それからは今までの暗い雰囲気を吹き飛ばそうとわざと明るく話して見せた。

如月くんもそれを分かっているかのように明るく話していた。

私たちはこの暗い雰囲気を一刻も早く吹き飛ばしたかった。

……如月くんの誕生日の思い出は明るいだけでいい。

辛いことなんて、いらない。

もちろん、私が如月くんの心の闇に触れることは難しいだろう。

でも、少しでも如月くんを楽しませられたら。

少しでもいい思い出に出来たら。

せっかくの誕生日だもん、今ぐらいは辛いこと、全部忘れて欲しいよね。

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