如月くんは私をひとりじめしたい
「小春ちゃん、好きだよ」
妖艶な笑みを浮かべた如月くんは私の茶色の髪をさらさらと触る。
その如月くんにうっとりした私はそっと目を瞑り、唇を重ねる。
と、急に頭がふわふわとした何かに付いた。
目を開けると、そこはベッドで如月くんは私を押し付けた。
「あ、ちょ、如月くんっ……んっ」
「ふふ。ほんとに僕の小春ちゃんは可愛い」
そしてもう一度、唇を重ねた。
雰囲気に流されてそのまま如月くんに身を委ねた。
如月くんもそれを待っていたかのように優しい触れるだけのキスを何度も何度も繰り返した。
は、はっと如月くんの吐息が耳元で聞こえる。
色気を帯びたその瞳はまっすぐ私を捉え、ブラウスに手をかけた。
そして、ひとつふたつとボタンを外していく。
と、その時。
私のスマホから着信音が聞こえた。
そこでお互いに我に帰ったのだ。
「ご、ごめん…」
「あ、うん、いいよ!?私も流されちゃってたから!!」
如月くんから離れて、スマホを取りに行くと、お母さんからのメールみたいだった。
なーんだ。お母さんか。
きっと、迷惑かけてないとかそういう旨のメールだろう。