如月くんは私をひとりじめしたい

「僕だけカッコ悪いところ出してるのに小春ちゃんだけダンマリなのはちょっと不平等じゃない?」

「そ、そうかな?」


確かに王子様ではない如月くんをたくさん見てきたけど、それもひっくるめての如月くんであって決してカッコ悪いわけではない。

だが、如月くんにしたら自分の欠点をさらけ出しているようなものなのでどうしても嫌なんだろう。

私からしたら如月くんはいつでもカッコいいと思うんだけどな。

まあ、可愛いところも多いけどね。


「だからさ、ちゃんと言葉にして。小春ちゃんの思ってること全部」

如月くんはぎゅっと握る力を強めた。

「小春ちゃんが母さんと話す時間をくれたから今こうやって長年を蟠りが取れて幸せな気分で小春ちゃんといれるんだよ。僕はね、分かったんだ。何でも言葉にしなきゃ伝わらないって」


まあ、これは小春ちゃんが教えてくれたんだけど。と付け足して、まっすぐ私だけを見た。

まるで煌びやかなイルミネーションは単なる日常の一部でしかないとでもいうように。
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