如月くんは私をひとりじめしたい

もちろん如月くんはそれに応じてくれた。

だからこの時間に来たんだけど……人は少ないのにキスしているカップルがやはりいた。

だってクリスマスだし、浮かれちゃう気持ちも分からなくもない。

だからって、こんな公共の場でキスしないで下さい!!

如月くんと付き合う前からずっと思ってた。

なんでカップルってどこでもキスしてるんだろうって。

如月くんと付き合ってからはキスしたい気持ちはすごく分かる。

だけどやっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいよ。

従兄弟の結婚式のキスさえ見れない私がこんなのどう足掻いても直視出来ない。

などと頭で色々考えていると、如月くんが顔を覗いてきた。


「うわっ!」

「どうしたの?考え事なんかして。何かあった?」

「な、なんでもない……」

「なんでもない、ね。そうやって小春ちゃんは何でも僕に隠そうとするよね」

「へ?」


如月くんは不意に私の手を握ると、恋人繋ぎをしてきて、そのまま話し続けた。
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