如月くんは私をひとりじめしたい
「実はヤンデレっていうのがよく分からなくて、すごく警戒して勘違いしてた。如月くんを世間一般のヤンデレと同じだと思っていた」


世間一般のヤンデレってなんだよ、と呟いたように思えたが、今は特に気にしてはいられなかった。


「色々見たけど、ヤンデレってやっぱりちょっと怖いし、自分の身が危険にさらされるかもしれないと思うとゾッとすることもあるんだよね」


如月くんはそれを静かに聞いていた。

まるで全てを肯定するかのように。


「でもやっぱり如月くんは如月くんだった」

如月くんの手をぎゅっと握って言った。


「ヤンデレでもそうじゃなくても、如月くんは如月くんだから、私は如月くんのこと、好きでいようと思ったの」

この言葉は本心だった。


「だから、これからもよろしくお願いします」


如月くんは抱きしめてきた。

今までで1番強く、痛かった。


「こんな僕のことを真っ直ぐに愛してくれてありがとう」

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