如月くんは私をひとりじめしたい

如月くんの声は震えていた。

少し泣いているような気もした。


「ううん。如月くんが私を好きでいてくれたから、私も如月くんのことを好きでいられるんだよ」

「僕の気持ち、重たいと思わなかった？」


思わなかった、というか恋愛経験ゼロの私はそれが普通なのかと思っていた。

でもそれが重すぎるということは後に知ったこと。

地味で普通の私を変えてくれたのは紛れもない如月くんで、私は如月くんのお陰で人を好きになることを知った。


「思わなかったよ。それに私のことを好きになってくれる人がいると思うと嬉しかった」

「それを言うのは僕の方だよ！」


如月くんは少し声を大きくして言った。


「僕のことをこんなにも受け入れてくれるのは後にも先にも小春ちゃんしかいないよ！小春ちゃんだけなんだよ」


抱きしめる強さがさらに増した。