松菱くんのご執心


「みかさってさ、たまーに高校生らしくない事言うよな。
なんつーか、達観してると言うか。年上かと思うときがある」



「実は、わたしの人生、ループで二回目だから」


「嘘っ!?」


「うっそー」


 くすくすと笑っていると、松菱くんはムッとした顔になった。




「嘘ついたらどうなるか知ってるか?」


「ええっと。……針千本飲まされる?」


「ちげえよ。チュウされるんだよ」



 弧を描いた唇がすっと近づいてくる。



「大切にするよ、みかさ」



 静かに目を閉じ、重なった唇は、わたしの心をホカホカと暖かくした。





─────END.
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