僕が愛しているのは義弟



 * * *


 始業式が終わり、家に帰った。


「隼翔兄、おかえり」


 すでに葵が帰っていた。


「ただいま、葵」


「隼翔兄、着替えたらすぐに出るでしょ?
 昼ごはんは向こうに着いてからでいいよね?」


「ああ」


 今日は葵と二人で映画を観に行く約束をしている。


「隼翔兄は何が食べたい?」


「何でもいいよ」


「じゃあ、行ってみたい店があるんだけど、そこでいい?」


「ああ」


「隼翔兄と二人で出かけるの久々だよね。
 最近、お互いのスケジュールが合わなかったから」


「そうだな。
 といっても、
 先月に一度、出かけてるよな」


「前は、もっと隼翔兄と一緒に出かけてたよ」


「もう二年くらい前のことだけどな」


「そうかもしれないけど……」


 葵はいつもクールで落ち着いている。

 だけど時々、子供っぽい一面を見せる。


 中学三年生。
 そういうところもあるか。


「なに、すねてるんだよ」


「別にすねてない」


「お前、いつもはクールで落ち着いてるけど、
 たまにそういうところあるよな」


「だから違うって‼」


「わかった、わかった。
 お前、かわいいな~」


「もう‼」


「まぁ、そう怒るなって」


「だって……」

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