僕が愛しているのは義弟



 * * *


 昼食を食べ、映画も観た。

 それらの時間は、あっという間に感じた。


 やっぱり早く感じるな、時間が過ぎるのが。
 楽しいと思うことは。



 帰り道。
 満開の桜の木の道をゆっくりと歩いている。


「隼翔兄、桜きれいだね」


「ああ」


「だけど、あっという間に散ってしまう。
 だから切ない気持ちにもなる」


「そうだな」


 そう言いながら葵の顔を見る。

 葵の表情。
 一見、普通に見える。
 だけど、どことなく寂し気な雰囲気もあった。


< 15 / 47 >

この作品をシェア

pagetop