浅葱の花にとまる蝶
✿✿✿✿

「さくらぁ!!!!おっせえんだよ今何時だと思ってやがる!!!!」

はい。おはようございます。

さくら蝶 17歳 寝坊の上朝練遅刻で只今絶賛お叱り中です。

今私の前で鬼の形相で怒り狂ってるのが我が剣道部顧問 工藤ちよし先生です。

私の名前 蝶ってかいて ちよって読むからちょっと似てるんだよね。

そんなちよしのお説教地球2周できるくらい長いから自己紹介しようね。

改めまして、さくら蝶 17歳 剣道部所属。

ちなみに部長も務めてます。

両親は6歳の時事故で亡くして祖母に引き取られたけどその祖母も15歳の時に他界。

剣道は小さい頃父に習ってそれから独学でたくさん練習して去年男女混合20歳以下の部で日本一になった。

あと、日舞の先生だった祖母の影響で日舞も少しおどれるよ!

身長158cm

体重41kg

腰まである色素の薄い髪はグレーがかっていて大体ポニーテールにしてる。

顔立ちは美人だったお母さんに似て可愛くはないけど残念な顔でも無いとおもう。

…思いたい!!

あと、これはみんなには内緒なんだけどね…

実は私、「痛っ」

(っ!?誰!?)

「あ、おい!さくr「ごめんちょっとまって!!」」

「ゆきちゃんっ!?どうしたの?怪我した?」

先程の小さな悲鳴の出処に駆け寄るとどうやら袴の裾を踏んづけてつまづいたらしい。

一つ下の学年、後輩のゆきちゃんである。

(はぁ…良かった。かすり傷ね。)

「あは、膝擦りむいちゃいました」

大した事ないけど少し血が滲んでいる。

「もう、気をつけてよ?」

はい、と絆創膏を貼ってあげる。

「うん、ありがと部長!」

そして絆創膏の上から手を触れて念じる

(傷を癒せ)

「痛いの痛いの飛んで行けーっと」

「部長いっつもそのおまじないしますよね〜?でも、部長にそれやってもらうとなんか傷の治りが早い気がするから不思議です」

あはは〜と呑気そうに笑うゆきちゃん。

そう。

ゆきちゃんの言う通り私は不思議な力を持っている。

いつから使えたかなんて覚えてないけれど物心着いた時には既に使えていたこの力。
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