愛溺〜番外編集〜
「チッ、またお前か」
そして由依ちゃんは涼介をひどく敵対視していた。
何やら涼介のことが気に食わないらしい。
「本当に由依って男に興味ないんだ」
「瀬野がイケメンって騒がれてる意味がわからない。絶対に愛佳ちゃんの男装の方がイケメンだから!」
「そこ?由依って愛佳への執着心、強過ぎでしょ」
タイム計測をしてくれた沙彩も間に入ってくれたのだが、由依ちゃんの暴走は止まらない。
「この学校で愛佳ちゃんのような美少女に出会えて私は幸せなの。美女とかわいい子が私の癒しで尊い存在なんだから!」
確か今をときめく女性のアイドルグループが大好きだと言っていた気がする。
本当に美女とかわいい子が大好きなようだ。
「だからこそ瀬野という男に愛佳ちゃんが穢されるなんて許せない…!」
「穢すって人聞きの悪い言い方だね」
「うるさい!愛佳ちゃんは瀬野に毒されたのも同然なんだから!」
なぜか涼介と由依ちゃんがバチバチ状態になってしまい、嫌な空気が流れる。
何とかこの空気を変えたいのだが…沙彩は諦めているし、真田に至っては目を逸らしていた。
険悪なムードにため息をつく他なかった───
かと思いきや。
「愛佳先輩!」
救世主は突然舞い降りてきた。