恋泥棒の犯行予告
夕方6時。
日も落ちてきて、辺りでは浴衣を着た幸せそうな人たちがあちこちで下駄の音を響かせていた。
まさに非日常。
でも、家に帰ると毎日同じようなことの繰り返しが待っている。
最近は勉強するときも一人で、本当に代わり映えのない日々が続いている。
何となく行く気になれなくて、あれから日世の家にはまだ1回も足を踏み入れていない。
夕方6時半、歩道橋の西側で待ち合わせ。
約束の20分前は……少し早すぎたかな。