恋泥棒の犯行予告

「……なんで六花真っ赤なの」


頭上から降ってきた、からかうような声。

自分が余裕あるときだけからかってくるところ、ほんと嫌い。


「んっ…………、」


やられっぱなしは性に合わない。

日世の顔を強引に掴んで、無理やり唇を奪う。

触れるだけのキス。

部屋でするのとは違って、頭が沸騰しそう。

太陽の熱と、ふれあった唇の熱と。


「不破島くんは?」

「おじいさんと話してくるって」

「そ。」


さっきよりも色づいた日世の頬。

照れてるくせに、何事もなかったかのように私の質問に答える日世は面白くて、そして可愛い。

本人に言ったら怒られるから言わないけど。
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