恋泥棒の犯行予告
昼の熱気は太陽と共に明日へ向かっていった。
あたりは少しだけ日が残っているくらいで、バーベキューの赤い炎だけが私たちを照らしている。
お肉のはじける音、木葉が擦れあう音、それから、
「おいてめぇ藤原! その肉は俺のだって言ってんだろ!!」
「はやく食べない方が悪いんでしょ!?」
「俺が肉取ってきてやったのにその態度はなんだ!」
不破島くんと暁奈が言い争う声……。
「ちょっと暁奈、不破島くんの分もちゃんと残しておいてあげなよ……」
「六花まで不破島の味方なの!? 私泣きそうなんだけど」
およよ、と私の腕にしがみついて嘘泣きをする暁奈。
不破島くんは鬼の居ぬ間に、とでも言いたげな顔をしてお肉を頬張っていた。