恋泥棒の犯行予告

「六花も大変だねぇ。子守りじゃん」


背後から気の抜けた声が降りかかってくる。

頭にポンと大きな手のひらがのったと思えば、腕に巻き付いた暁奈の体が一瞬強ばった。


「暁奈、どしたの?」

「人前でいちゃつくなっての……今は私だけ見てて!」

「なんでそんなめんどくさい彼女みたいなこと言ってんのさ。私は暁奈をこんなにも愛してるというのに……」


こちらも負けじと、信じてくれないっていうのね……と嘘泣きをする。

ふたりして何してんだか。


「茶番終わったか~~? 食い終わったら花火すっから庭行け」


藤原は俺と一緒に網の片付けだ、と不破島くんから名指しを受け、首根っこを掴まれて居残り。


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