デアウベクシテ
第32話~未来へ
「信じられない…!」
チャペルへ向かう廊下。私は柄にもなく、子供のようにぷいっとした。
「そんなにいじけるなよ、彩華があまりに綺麗だったからだよ。」
賢人も子供のように私をからかう。こんな時になんてことを。でも。
賢人と私。ひとつになった私達は真っ白だった。白色以外、何もなかった。真っ黒を経験した私達。もう黒という色を忘れている。もしもこの先、賢人が白以外の色になることがあっても、私は何度だって賢人を救ってみせる。
ドレスは魔法みたい。そして魔法で包まれたような、真っ白のチャペルに入る。
私達は指輪の交換をする。賢人は私の左手に三輪の華を咲かせてくれた。誓いのキスと、神父の祝福。私達は手を取り合い、微笑み合う。
今、この瞬間。過去と未来を繋ぐ時。…ううん、違う。過去から未来へ進む時。
.
.
.
私の命の灯。いつか消えるその日まで、私は賢人を守る。
賢人の命の灯が消えるその時は、私は賢人の手を握り、こう言うの。
『安心して賢人。私はここにいる。怖くない。すぐに行くから待っていて。』
そしてその次の日に、私は私の灯を消して、賢人の後を追うの。そう決めてるの。
繋いだこの手を、離さないでいて。私も離さない、永久に。
.
.
.
「ねえ賢人?」
「なに?彩華。」
「愛してるからね、賢人。昨日より今日、今日より明日のほうが、愛してるからね。」
賢人は少し驚いた顔。いつもより長い言葉だったから?でもすぐに賢人は微笑んだ。出会った時から変わらない、優しい笑顔。
「ありがとう彩華…。俺も…同じだよ彩華…。」
私達はキスをした。
この一瞬は、永遠に続く。
THEME SONG
the HIATUS / Regrets
チャペルへ向かう廊下。私は柄にもなく、子供のようにぷいっとした。
「そんなにいじけるなよ、彩華があまりに綺麗だったからだよ。」
賢人も子供のように私をからかう。こんな時になんてことを。でも。
賢人と私。ひとつになった私達は真っ白だった。白色以外、何もなかった。真っ黒を経験した私達。もう黒という色を忘れている。もしもこの先、賢人が白以外の色になることがあっても、私は何度だって賢人を救ってみせる。
ドレスは魔法みたい。そして魔法で包まれたような、真っ白のチャペルに入る。
私達は指輪の交換をする。賢人は私の左手に三輪の華を咲かせてくれた。誓いのキスと、神父の祝福。私達は手を取り合い、微笑み合う。
今、この瞬間。過去と未来を繋ぐ時。…ううん、違う。過去から未来へ進む時。
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私の命の灯。いつか消えるその日まで、私は賢人を守る。
賢人の命の灯が消えるその時は、私は賢人の手を握り、こう言うの。
『安心して賢人。私はここにいる。怖くない。すぐに行くから待っていて。』
そしてその次の日に、私は私の灯を消して、賢人の後を追うの。そう決めてるの。
繋いだこの手を、離さないでいて。私も離さない、永久に。
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「ねえ賢人?」
「なに?彩華。」
「愛してるからね、賢人。昨日より今日、今日より明日のほうが、愛してるからね。」
賢人は少し驚いた顔。いつもより長い言葉だったから?でもすぐに賢人は微笑んだ。出会った時から変わらない、優しい笑顔。
「ありがとう彩華…。俺も…同じだよ彩華…。」
私達はキスをした。
この一瞬は、永遠に続く。
THEME SONG
the HIATUS / Regrets