空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
雨上がりの空
時は流れ、高校最後の年がやって来た。

眠い目をこすりこすり、欠伸を繰り返しながら何百回目かの桜坂を登りきり、海青館(かいせいかん)学院高等学校の門をくぐった。

ほんのり塩気のある春風に撫でられながら、昇降口まで歩く。

初日だと言うのに、もうサッカー部は朝練をしているらしく、ボールを蹴り合う音が聞こえてくる。

海くんもたっくんもいるのかな?

2人は幼い頃からサッカーをやっていて、私もたまに混ぜてもらっていたけれどルールはあまり良く分からない。

ただ、サッカー部はモテるという神話が本当だということは知っている。

イケメンの2人がモテるのは言うまでもなく、それ以外の人もカノジョがいたり、バレンタインにチョコをもらっているのは何度も目撃済み。

ま、私には関係ないことだけれどね。

私は校庭を見向きもせず素通りして自分の教室に向かった。


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