空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
しかし、ゴールデンウィーク前最終日になっても返事はなかった。

休み時間に行ってもいない、放課後に行ってもいない。

完全に避けられてるよね...。

手紙書くなんて古くさいし、2回会っただけなのにそんなことされたら引くよね、普通。

私、重いし、痛い女だなぁ。

教科書をパンパンに詰めた重いリュック。

それに私の重苦しい負の感情も追加され一層重い。

あらゆるものを詰め込まれたリュックを背負い、夏帆ちゃんにバイバイを言って昇降口に向かう。

夏帆ちゃんはこれからサッカー部のミーティングに参加して食事面でのアドバイスをすることになっている。

夏帆ちゃんのお父さんはスポーツドクターで、現在はプロ野球のある球団で働いているらしい。

その前がJ1のサッカーチーム。

夏帆ちゃんが海くんにこのことを話したところ、栄養面のメンテナンスをお手伝いすることになったのだ。

シンデレラストーリーとはまさにこれ。

いじめられていた女の子がイケメンと出会い、自分だけの王子様になる。

王子様の手ほどきで女の子にスポットライトが当たり、キラキラ輝く人生を送り始める...。

羨ましい限りだ...。

友達じゃなかったら、妬んで妬んで妬みまくって藁人形に釘刺していたかも。

なんて、そんな恐ろしいことを考えているから私には光が射し込んでこないんだ。

< 28 / 112 >

この作品をシェア

pagetop