転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

式場の両サイドには名だたる家の貴族が多く参列しており、一番前の席にはアイリーンの両親とヴァルテリの両親が待っていた。

アイリーンはヴァルテリにエスコートされ、真ん中にひかれた赤いカーペットを歩いていった。

そして一番前まで行くと、それぞれの両親の方、参列者に向けて順番に、アイリーンはカーテーシーのポーズをとり、ヴァルテリはお辞儀をした。

そしてふたりが前を向くと、国王、ルーメンティーは座っていた場所から立ち上がり、ふたりの前へ立った。

「ヴァルテリ・アルヴァドス、前へ。」

国王の合図によってヴァルテリはアイリーンの隣から数歩前に行き、国王の前へ膝をついた。

「ヴァルテリ、汝はアイリーンを妻とし、ゆくゆくは国王としてアイリーンとともに国を治めることを誓うか？」

「はい、誓います。」

「よし、ヴァルテリ元の位置へ。

アイリーン・キャンベル前へ。」

ヴァルテリが元の位置へ戻ると、次にアイリーンが国王ルーメンティーンのもとへ膝をついた。

「アイリーン、汝はヴァルテリを夫とし、ゆくゆくは王妃としてヴァルテリとともに国を治めることを誓うか？」

「はい、誓います。」

「よろしい、それではアイリーンはもとの位置へ。」

アイリーンは先ほどの場所、ヴァルテリの隣へと戻った。

「此度、アイリーン・キャンベルはヴァルテリの正式な妻として認める。

以降は名前をアイリーン・アルヴァドスと名乗るように。
そして他のものはアイリーン大公令嬢ではなく、アイリーン王太子妃殿下と呼ぶこと。

もし、アイリーンのことを悪く言うものがいた場合、爵位に関係なく罰する。
よいな。」

国王は以前、ヴァルテリからアイリーンがほかの令嬢にいじめられるという夢を見たと聞いていたので、万が一にも夢とおマジことが起こらないように先に牽制をした。

「私も娘をいじめたものは今後何があろうとも許しませんから。
もちろん、私主催のお茶会への参加も認めません。」

そして王妃もまた、アイリーンのことを大切に思っているのだった。