月下の輪廻
《イケメン君、ね......》

肩越しにチラッとディアスの姿を窺う。

栗色の短い髪に青く澄んだ瞳。すっきりとした顔立ちは、そう評されても誰もが納得するだろう。

でも。

森でのやり取りを思い出しただけでげんなりしてしまう。

暫く一人で旅をしていたから慣れなかっただけだろうか。いや、そんな筈はない。

急に手を握ってきたり抱き着いてきたり、隠れるよう言っておいても全く聞かなかったのだ。非常識にも程がある。


「うん。これだけあれば十分ね。これは報酬よ」

「ありがとう」


溜め息を吐きかけたところに、お金を入れた革袋を手渡されて受け取った。これで弾薬など必要な物が買える。

《良かった》

すると、それまで黙っていたディアスがルギィに近付く。


「初めまして。俺はディアス=ナトレイ。冒険者ライセンスを取得したいんだ」


凛とした姿勢で挨拶する姿を見て、リーファネルは、何となくその場に留まった。

ルギィはカウンターに両肘をついて顎を乗せディアスをじっくり眺めている。男でも美人なだけあって、きっと男はこういうのに弱いのだろう。現にディアスも視線が泳いでいる。


「ふーん。冒険者ライセンスをねぇ~。あなた若くて格好良いのねぇ。......年はいくつかしら?」
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