月下の輪廻
こうして表情がころころ変わって壁を感じさせないせいだろうか。束の間の休息だと分かってはいるが、気付けば、リーファネルは声を抑えながらも笑っていた。

年は18だと言っていた。

自分よりも一つ年が下。

まるで弟でも出来た気分だ。

笑いを収めて見ると、何故かぽかんと口を開けてこちらを見ている。


「どうした?」

「あ、いや。......リーファが笑ってるの、初めて見たから」

「......何だ? 私が笑わない人間だとでも思っていたのか?」


そう言われてしまっても仕方がないことだとは思うが......。


「いや。ただ、もっと笑えば良いなぁとは思うけど」

「......こっ恥ずかしい奴......」

「え?」

「何でもない」


優しいとか笑えば良いとか、よくもそんな歯の浮くような台詞が言えたものだ。

3年前、シュヴァイツの記憶が蘇らなければ、自分はもっと笑えていたのだろうか。

《そう考えたところで、今にしてみれば後の祭りか》

蘇ってきてしまっているのだ。望んでもいない前世の記憶と感情が......。
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