月下の輪廻
リーファネルが椅子で寝入ってから、ディアスはルギィに彼女の先程の様子を訊こうと話し掛けると、訊かれる内容が分かっていたようで、布を1枚体に掛けながら問い掛けられて頷く。

訓練場で剣を交え、ギルド内に戻って来るまで普通だったように思う。

でも。

急に凄い形相で怒鳴られ、今は酷く具合が悪そうだ。

一体どうしたと言うのだろうか。

ルギィは受付の所に戻り、真面目な顔で、ちょいちょいと手招きしてくる。迷うことなく今度は近付いた。


「詳しくは私も知らないわ。でも、時々酷い頭痛に襲われるみたいなの」

「頭痛......」


声を落として話されるので、ディアスも同じように声を落とす。


「ええ。病気なのか訊いたら違うとしか言わないし......何故ギルドに所属する気になったのかも不思議だわぁ」

「病気じゃない頭痛? ギルドに所属するのが不思議なんですか?」


ルギィの言葉に、思わず首を傾げてしまう。


「あら、リーファったらきちんと名乗らなかったの?」

「えっと、リーファネル=コールランドでS級冒険者って......」

「そうよ。リーファはあの騎士の名家の娘なのよ。本来なら冒険者じゃなく、騎士になっていたんじゃないかしら?」
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