未来は霧のなか

美佐子は ギリギリ、20才くらいに見えるけど。

私達はみんな どう見ても 高校生だから。

美佐子には 付き添えない。
 

「玲奈先輩に、頼んでみようかな。」

玲奈先輩は 大人っぽいから。

未成年じゃないと言っても、通用するだろう。
 

「美佐子、病院の心当たり、あるの?」

千恵に聞かれて、
 
「地元の先輩に聞いてみる。」

と美佐子は答えた。
 


「お金は?遠藤さんに 言わないのなら どうするの?」

典子の言葉に、私達は 顔を見合わせる。
 
「何とかするしかないよ。」

と美佐子は投げやりに答えた。
 

「やっぱり、遠藤さんに相談するのが、一番いいと思うんだけどなあ。」

あゆみの言葉は正しいと、みんなが思っていた。
 


美佐子は 遠藤さんの 何を 守ろうとしているのだろう。


美佐子よりも 20才近く年上なんだから。


一度でも、美佐子とエッチをしたのなら 責任を取るべきだと思うけど。
 
「後で、玲奈先輩に相談してみるよ。」

と言う美佐子。


私達は 不安に思っていても どうすることもできない。



試験は終わったのに。

みんな 俯き加減で。


すっきりしないまま、学校を出た。
 




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