上司は優しい幼なじみ
半田さんと並びフロアに足を踏み入れる。
すると真由美ちゃんが勢いよく立ち上がり、顔を曇らせながらこちらに走って来た。
「半田さん、ちょっと面倒なことに…」
「え、何があった?」
二人も公私混同は見せず、会社ではいつもと変わらない様子で接している。
半田さんはよく、たっくんと山本さんのことを凄いと褒めていたけれど、半田さんもなかなかだと思う。
これも二人が商品企画部に与えた影響なのかもしれない。
「新規で開拓したメーカーから予算案の見直しの打診が来ていて…一度これでOKになったはずなのに急遽どうしてもって言われているんです。この対応できるの、もう半田さんしかいなくて…」
たっくんも今は海外にいて、日高部長はこの前退職した。
まだ定年までは達していなかったが、お母様の介護でやむを得ずといった形だった。
半田さんは代理でそのポジションに籍を置き、今となっては私たちの上司なのである。
「折り返しにしてある?」
「はい。半田さんから連絡がいくと伝えてあります」
肩を並べて話しながら奥に進む二人の背中を見て、羨ましくも思った。
また一緒に仕事したい…その日はいつ来るのだろうか。