上司は優しい幼なじみ
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たっくんが帰ってきて早数週間。
あれから、彼から連絡が来ることもなかったし、私から連絡することもなかった。
きっとまだバタバタと忙しいのだろう。
そう気を利かせ、聞きたくて仕方ないことも胸の内に収め、日々奮闘していた。
辞令も発表され、商品企画部に部長としてたっくんが戻ってくることを知った部内の人間は安堵の表情を浮かべる者も多かった。
それと同時に、以前たっくんが就いていたポジション、つまり’係長’の座に半田さんが座ることも発表され、彼に向けて祝福の大きな拍手が送られた。
前から気になっていたのだが、この部に’課長’や’次長’がいない。
その真相は最近知り、比較的若いメンバーで構成されたこの部では、ある程度役職の枠が絞られている為、今回のたっくんのように飛び級することもあるのだそう。
敢えて’課長’’次長’の枠を設けていないというわけではなく、その時の適した役職を与えているのだとか。
「陽菜ちゃん、よかったね。大川係長…じゃなくて、部長、戻ってくることになって」
「うん、実はね…」
お昼休み、真由美ちゃんと外食に来ている。
話題が今回の辞令に触れたため、あの給湯室での出来事を話した。
「えー!!??そうなの!?もう会ってたんだ」
「うん…何も言われてなかったからびっくりしちゃったよ。その後連絡ないし…今何しているのかな」
パスタをフォークでぐるぐる巻きながら、その巻かれていく様子に目を落とし小さくつぶやく。